伝票の種類
 
ここまでの話は、取引があった場合、仕訳帳に仕訳を行ってきました。
しかし、実務では、仕訳帳を使用する代わりに、伝票(でんぴょう) という紙片に記入します。
このように取引を伝票に記入することを起票(きひょう)といいます。

伝票に起票する方法には、3種類の伝票を使用する3伝票制と5種類の伝票を使用する5伝票制があります。
それ以外にも、いくつか起票方法があるのですが、簿記3級の試験では、3伝票制と5伝票制について出題されています。
 
★3伝票制
 3伝票制とは、すべての取引を入金取引、出金取引、それ以外の取引の3つに分け、それぞれ、入金取引には入金伝票を、 出金取引には出金伝票を、それ以外の取引には振替伝票の3つの伝票を用いる方法です。
 
◆入金伝票、 入金取引というのは、現金の入金に関する取引のことで、借方の勘定科目が現金になる取引のことです。
・借方は現金と決まっていますので、貸方科目だけを伝票に記入すればよいことになります。 
 
◆出金伝票、出金取引とは、現金の出金に関する取引のことで、貸方の勘定科目が現金になる取引のことです。
・出金伝票の場合、貸方は現金と決まっていますので、借方科目だけを伝票に記入すればよいことになります。



◆振替伝票とは、入金・出金取引以外の取引を起票する伝票です。
・入金伝票の場合は借方の勘定科目が、 出金伝票の場合は貸方の勘定科目が現金で限定されていました。
・伝票には相手勘定科目を記入すれば良かったのですが、振替伝票の場合は、 借方と貸方の勘定科目が限定されていないため、借方と貸方、両方の勘定科目を記入する必要があります。
 
★5伝票制とは、3伝票制で使用していた「入金伝票」「出金伝票」「振替伝票」の3種類の伝票に「売上伝票」と「仕入伝票」を加えた5種類の伝票を用いる方法です。

・売上伝票とは、売上取引があった場合に起票する伝票のことです。売上取引とは、商品の売上げに関する取引です。一つ注意点として、 売上伝票に起票する時は、売上取引ならば、いったん掛け売上げとして処理します。
・仕入伝票とは、 仕入取引があった場合に起票する伝票のことです。仕入取引とは、商品の仕入に関する取引です。一つ注意点として、仕入伝票に起票する時は、 仕入取引ならば、いったん掛け仕入として処理します。(考え方は、売上伝票と同じです)
 

 

 

単一仕訳と複合仕訳

 

単一仕訳とは、1対1の仕訳。
1対多または多対多の仕訳を複合仕訳といいます。
複合仕訳は、1つの取引で3つ以上の勘定科目を使って仕訳をすることをいいます。

 
 

単一仕訳の例
日付 金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
1/5 8000 商品   現金 8000



 

複合仕訳の例
日付 金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
1/25 390000 給与  1月分給与2名 当座預金 315000
      源泉所得税 預り金 20000
      保険料 預り金 50000
      住民税 預り金 5000



 

帳簿の種類

 

簿記では取引を全て帳簿に記録していきます。
帳簿といっても色々な種類がありますが、 大きく分けると主要簿(しゅようぼ) と補助簿(ほじょぼ) の2種類です。



 
主要簿

 

主要簿とは、 仕訳帳と総勘定元帳のことをいい、貸借対照表、 損益計算書を作成するのに必要不可欠な帳簿です。
仕訳帳とは全ての取引を日付順にまとめた帳簿のことです。

総勘定元帳は、 全ての取引を勘定科目別にまとめた帳簿のことです。


 
補助簿

補助簿とは、 主要簿では不十分な記録を補うための帳簿です。
主要簿は、すべての会社で使用しますが、補助簿は必要に応じて使用します。
補助簿には、 現金や預金の出入りを記録する現金出納帳や預金出納帳、仕入を管理する仕入帳や売上を記入する売上帳などがあります。

 

現金出納帳
げんきんすいとうちょう
現金の出入りと残高を管理するための基本的な帳簿です。現金の出し入れがあったときに日付、摘要、取引先名、金額、残高を記入します。
預金出納帳
よきんすいとうちょう
預金の出入りと残高を管理するための帳簿。口座別に預金の出入りがあったときに、日付、内容、取引先名、金額、残高を記入。
売 上 帳 日付順に売上を記録する帳簿。得意先名、品名、数量、単価、金額欄がある。
仕 入 帳 日付順に仕入を記録する帳簿。仕入先名、品名、数量、単価、金額欄がある。
売 掛 帳 売り上げた取引先ごとに売掛けと回収などの管理を行うためのもの。取引があった日付、品名、数量、単価、金額を記入。
買 掛 帳 仕入れた取引先ごとに買掛けとその支払などの管理を行うためのもの。取引があった日付、品名、数量、単価、金額を記入。
手 形 帳 受取手形、支払手形の取引があった年月日、内容、相手方、金額などを記入。手形番号や支払日も控える。
固定資産台帳 固定資産があるとき、その資産の種類ごとに取得年月日、数量、取得価額、耐用年数、償却率、償却額などを記入キする。

 

 
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